ビジネス系マインドマッパーの川添(@kawazoezoe)です。
先日こちらの「鬼速PDCA」のオンラインセミナーを受講しました。『ゼロ秒思考』の著者である赤羽さんも関わっており、かなりの知見が得られましたので、備忘のためにこのブログでもまとめます。
月曜20時から1時間、「アフターコロナに向けたゲームチェンジ、どのように新しい事業や打ち手を生み出すか」というテーマで、鬼速PDCAやマインドマップなどのツールを駆使して、ダイナミックな意見交換をします。
・コロナの危機的状況で、情報に振り回されず、事業の課題を正しく捉えるには? pic.twitter.com/d3JanPGGl1
— 赤羽雄二 (@YujiAkaba) May 3, 2020
マインドマップを活用した営業会議
とくに会社の営業課題をどのように設定し、解決策を導き出していくのか?その一連のプロセスをマインドマップを使いながら解説されました。
またそれが斬新かつユニークな会議手法であるゆえ、参加者からも意見や質問が寄せられていました。
以下ポイントを時系列にならべます。
基本講義ポイントまとめ
①参加者全員で見える化
まずマインドマップの良い点は、進めていく施策がどういう背景で数式またはロジックで決まっているかを全員で見える化できるためかなり納得性が高い。数値に対して成果が出るのではないか?大きな項目だと見えなかったことも、細かく分解することで数値につながるイメージが持てる。
②なんとなくしか出ない解決策
営業会議でのシーンを実際に実演。1億円のKGIに対して、5000万円の不足分がある。その課題はなにか?と会議で問われたときに、これといって具体的な意見が出てこない。その解決策についても、「従来通り」のやり方を踏襲するか、SNSでバズっているような成果がありそうな施策「ウルトラC」をなんとなく提示する。
③ポイントは因数分解
解決策を数多く出していく上で【因数分解】がポイントになる。経営を4つに分解し、さらに事業モデルを「営業・マーケティング」と「事業・商品開発」2つに分解、さらにそこから「業界」について深掘りをしていく。いまコロナ環境下においてどんな業界が伸びているのかをマップに書き足していく。
④外部ソースを活用する
このときにどのような方法で業界情報を収集するのか?このときにGoogleから引っ張ってきたのが「note」の記事。noteには実際に現場で活用できるナレッジを含む記事が多くあり、情報収集のソースとして活用できる。
⑤マインドマップにコピペ
たとえば今回の場合、「コロナ禍でも伸びている産業17選」という記事をピックアップし、その目次をそのままコピーして、マインドマップに貼り付ける。そうすると、伸びる業界がマップ上で可視化された状態になる。
⑥新たな視点が増える
よくある会議であれば、「コロナ禍でも伸びる業界を挙げよ」と上司が言っても、なかなかイメージがわかず、自分たちの脳内の記憶が発想の限界となる。外部から適正な情報を引っ張ってくることで、新たな視点が増えたことになり議論が活発化する。
⑦より高精度の仮説が導き出せる
さらにそこから特定の業界を深掘りしていくことで、より情報の粒度の高いマップが完成していく。これを見ながら議論することで、当初のなにも浮かんでこなかった「②課題」に対して、より角度の高い仮説を導きだすことができる。
⑧「MRI」のようなあらゆる切り口
ものごとをMRIで検査するように、ちがう角度で見れば見るほど別の切り口で課題が見つかる。営業であれば、商品でみるのか?エリアでみるのか?顧客別にみるのか?など。土台があれば、マネージャがメンバーにフィードバックをするときに、どんな視点が足りていないのかを的確に返すことができる。
⑨まとめ
これらをベースに会議をすることで、もっと深い課題が出てくる。因数分解を活用し、「事業・商品開発」に関する視点を拡張していけば、精度の高い仮説に対して短時間でたどりつくことができる。因数分解を徹底して行うことが、情報だけの可視化だけでなく、マネージャやメンバーの思考するときの視点を増やし考えを深めることにつながる。
質疑応答
課題を分解するのときの妥当性
Q1.分解するときのロジックの妥当性をどう評価するのか?因数分解する際の因数はいくらでもとれるでしょうが、どう取るのかが重要かと思います。
A.最初は判断がつきづらい。切り口を増やし続けてみる。
その上で、
- もっとも自分たちが実践しやすいもの
- 成果への影響が高いと見込めるもののうちで、これまで自社が深掘りできていないもの
(例:直販セールスはこれまでの経験があるので情報が出てくるが、代理店営業やマーケティングについては経験がないので浅い)。このように、うまく掘り下げができない部分が成果を出す上での妥当性のあるポイントとしてみなす。
課題の評価基準
Q2.課題の重要性についての評価基準はどのような観点で考えればよいか?
A.3つの観点で評価基準とする。
- インパクト:KGIやKPIへの影響度
- 時間:どれくらいその成果が出るまで期間が空くか
- 気軽さ:ブランド、予算、心理的な工数からみたときにどれくらいの気軽さであるか
ビジュアルで示すので楽しくできる
Q3.すでに世の中に分類された情報がありそれを活用できる。さらにそれをマップで図示するので楽しくできるようなイメージですか?
A.わけていくと楽しくなってくる。おおよその情報が、書籍やWEB記事の目次でまとめてくれている。ブックメーカーなど要約サイトも増えている。さらにはnoteのように現場の密なナレッジをまとめてくれている。それらをぺたぺたを貼っていくことで、これまで見えてこなかった情報を見える化することで楽しく習熟していくことができる。
はじめて因数分解するとき
Q4.一般の会社が因数分解をはじめようとした場合になにをどうすればいいですか?
A.新しいものを作っていただくことになるが、さほど時間はかからない。たとえば経営を分解しようとすると、グロービスさんの書籍の目次がamazonを見れば載っているので、それをマインドマップで縦並びにコピぺすれば視点が増える。
さらにその分野で最先端と言われる人の書籍やブログなど、分類されているカテゴリまたは目次を見にいくと、極めてその業界における最先端のもれなくだぶりのない切り方をしてくれていることが多いので、それをキーワードごとにくりかえし下に深掘りしていくイメージ。
課題を絞り込む方法
Q.実際に計画や行動に落とし込むためには、数を絞ることになりますが、その絞り込む方法を教えてください。
A.ある程度、分解した段階でこの切り口が一番しっくりくる点を見つけた上で、そこからいくつか課題になりそうな要素をマップ上の「課題」にぺたぺたと貼っていく。20~30集まったらそこからどう選定をしていくのか。それは上のQ2にも挙げたように、「インパクト」「時間」「気軽さ」で切っていく。たとえば、まずインパクトで10に絞り、時間と気軽さでさらに絞り込んでいく。
クライアントの変化
Q.マインドマップ営業会議を通じて、クライアントはどのように変化するか?
A.いちばんは自信を持っている方が自分をうたがうツールになりえること。「真の課題は視界の外にある」とよく言っているのですが、専門性があり経験がある人ほど、そのすばらしい経験にもとづいて独自の視点でものを考えることになる。クセになっているならば、「横」に広がっておらず、それ以上「縦」に深掘られていない場合がある。
営業出身の役員の方だと、どうしても経験が浅い分野については深掘りが浅くなってしまい、実はマーケティング側に大きなブレイクスルーを生み出すポイントがあることも。経営者だと自信がある分野であるほど、実はその分野で自分にとって未知の分野が横にある。もしくはふだん考えていないことが自分でもわかってくるようになる。
おすすめマインドマップ
Q.マインドマップはなにを使えばよいか?
A.大きく2種類ある。
- 買い切り型⇒「MindNode」「Xmind」
- サブスク型⇒「MindMeister(マインドマイスター)」
受講後の所感
マインドマップはシンプルであるゆえ、一見わかりやすそうで実はわかりにくものです。
なぜかというと、使い方の汎用性が高く「なぜマインドマップを使うのか?」といった使い手の目的や動機に依存するからです。
ではどうすればいいかというと、いろんな事例を見て研究し、自社に合ったやり方で実践して適合させていくのがもっとも定着し、効果が出やすい方法になります。
そういった意味でも今回のオンライン講座は、実際の営業会議での課題解決にどう活かしているのかが具体的に知ることができたのは収穫でした。
👇経営者や社長のマインドマップ活用例についてはこちらにもまとめています。
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