
自由な働き方を実現する職業の一つとして、フリーランスエンジニアが注目されています。
フリーランスエンジニアとは、会社などの組織体に所属することなく、みずから仕事を獲得し、プログラミングやシステム構築を通じて対価を得るエンジニア(技術者)のことです。
慢性的な人手不足かつ、これからのAI時代に重宝される人材でもあることから報酬も高く、またフリーランスという形態によって自由裁量が担保されています。
これから目指す人は20代からの異業種・未経験からのエンジニア転身も大いにアリです。
1 エンジニアの契約形態と特徴《比較》
まず世の中のエンジニアをタイプ別におおまかに比較してみます。
正社員 | フリーランス | ||
常駐型 | 在宅型 | ||
契約形態 | 正規雇用 | 業務委託契約 | 請負契約 |
雇用期間 | 期限なし | 期限あり | 期限あり |
副業/複業 | NG | OK | OK |
賞与 | あり | なし | なし |
残業 | あり | 任意 | なし |
有給休暇 | 後ろめたい | やや自由 | 自由 |
1-2.フリーランスエンジニアは2タイプ
上の表のように、フリーランスには「常駐型」と「在宅型」に大きくわかれます。
💻常駐型とは?
- クライアント先のオフィスに常駐して業務を行います。「業務委託契約」をたがいに結び、契約内容にそって仕事を行い、毎月決まった報酬が支払われます。
💻在宅型とは?
- 客先に出向くことなく、自宅やカフェ等で業務を行います。「請負契約」ですので、毎月報酬があるわけではなく、成果物を納品してはじめて請求します。

2 フリーランスエンジニア《10のメリット》
2-1.年収が高い!多くは600~800万円
やはり収入は技術職だけあってあらゆる業界の中でも相対的に高いです。
あくまで実感値ですが、フリーランスエンジニアだと最低でも40万円、平均しても50〜60万円です。休みはしっかりとれますので、本業以外の時間で自社サービス開発などの副業をすれば、1000万円超えも十分に射程圏内です。
👉 厚生労働省が発表している平成27年度の会社員のシステムエンジニアの平均年収は592万円(平均年齢38歳)。後ほど触れますが、案件を紹介してくれるレバテックフリーランスに登録しているフリーランスエンジニア(36,700人)の場合だと平均年収は801万円です(月66万円)。
2-2.残業なし!休みもしっかり取れる
はたらく時間ですが、これは「常駐型(おもに業務委託契約)」と「在宅型(おもに請負契約)」で大きく変わってきます。
《常駐型》
前者は、契約で決められた時間が労働時間となります。「平日週5日、土日祝は休み、週160時間程度」が一般的。客先常駐なので、クライアントの就業時間と同じであることが多いです。
《在宅型》
後者は、あくまで請負なので期限までに納品できればOK、ゆえにどの時間に仕事をしてもOK、週の前半は集中して仕事、後半は旅行といったプランもありです。常駐型にくらべると時間の裁量は大きいです。
👉 常駐型はサラリーマンと同じじゃないか!と思われそうですが、基本的に残業はありません。会社員に近い働き方でありながら残業なし!というわけです。
2-3.人間関係のしがらみ、ムダな社内業務からの解放
会社員のように上司や部下との人間関係の面倒なしがらみはありません。非生産的な社内調整も不要です。
キーワードは「解放」です。
- 会議からの解放
- 資料作成からの解放
- 社内外の調整からの解放
- 部下育成からの解放
- 飲み会からの解放
- 他部署の根回しからの解放
これらすべてやならくてOK!本来の開発業務に集中できます。
また、定時をすぎてもだれも帰らないので帰りづらいという意味不明な社内の空気も読まなくてOK、定時になったらさっさと帰りましょう。
👉 出たくもない会議や行きたくもない飲み会などは本当にストレスです。フリーランスだときれいさっぱりと解放されます。
2-4.キャリアの方向性を自分で決定できる
とくに大きな組織の社員であれば、プロジェクトが終了するたびに次の新たなプロジェクトへと回されます。
たとえば今月まではPHP案件だったけど、次はRubyがメインの案件といった感じで。Rubyなんて興味ない、といっても会社の指示に従わないといけません。
Sierなんかは往々にして、その中でしか使わないようなスキルを身につけさせられる。つまり特定の領域でしか応用が利かないわけです。
その点、フリーランスだと自分の志向性に案件を合わせられます。今後もPHPでやっていきたい意思があれば、PHP案件を集中的に選択すればOK。
👉 20代は常駐して現場開発、30代は自宅で請負メイン、40代はコンサルに転身するといったキャリアのロードマップも主体的に描けます。
2-5.コミュニティでともに学ぶ仲間ができる
エンジニアはつねに勉強が必要です。新しい情報や知識をキャッチアップしないといけません。ですが毎日残業で忙しくしていると情報は入ってきませんし、会社の人たちとしかつるまないのも視野が狭くなります。
SNSで人がつながりやすくなったこの時代、エンジニアによる勉強会コミュニティも各地で盛んに行われています。
僕は福岡在住ですが、地元にはかなりのコミュが存在します。思いつくかぎり、パッと挙げてみます。
- JAZUG ふくあず
- GCPUG福岡
- LINE Developer Meetup in Fukuoka
- JXUG福岡
- ヌーラボ コミュニティ
- Fukuoka.NET
- PHPカンファレンス
- 博多TECH塾
など
👉 僕もたまに参加しますが、フリーランスは多いです。時間に融通がきくのはもちろんですが、なにより積極的に学ぼうという姿勢が強いと感じています。
2-6.ライフハックや業務効率化スキル向上
エンジニアの仕事は「0か1」と言われます。システムが動くか動かないかがすべてだからです。
トラブル時には迅速な対応が求められるため、正確さと柔軟さが同時に求められます。ゆえにそんな仕事柄、ライフハック的なスキルがエンジニアの間では重宝されます。
彼らはつねに業務改善に余念がありません。「slack」「Trello」といった今人気のITツールも、まずエンジニアから使われはじめました。そして良いツールは瞬時に共有されます。
ただ悲しいかな、会社員だと「slackを使いたい」と思っても会社の許可が必要ですし(うまく稼働しなかったら言い出しっぺとして責任問われる)、社内セキュリティの関係でアクセスさえできないという事態も。
👉 フリーランスだと時間に余裕があるので、いろんなツールや改善ハックを試すことができます。なんなら空いた時間に自分が使ってみたいツールを開発することも可能です。
2-7.自社サービスやブログなど「稼ぎ方」が豊富
前述のとおり、フリーランスなので時間に余裕ができます。
平日は業務委託の仕事を行い、帰宅後の自由時間および休日は自分のブログを書いたり、自社サービスを開発してみたりと収益源を増やすための資産つくりにあてることができます。
いくつか稼ぎ頭ができてきたら、キャリアの方向性を見定めつつ、収益のポートフォリオ(労働集約と非労働集約の比率など)を設計するなど中長期的な計画を立てることもできます。毎日残業の会社員だとそんな余裕ありません。
👉 フリーランスエンジニアほど「稼ぎ方改革」を起こすにふさわしい職業はないでしょう。
2-8.苦手な営業不要、案件は向こうからやってくる
どうやれば仕事を獲得できるのか?心配無用です。
フリーランスと企業を結びつけるエージェントが数多く存在します。彼らが代理人となって、自分の適性や条件に合った案件を紹介してくれます。
「最先端の技術に触れられない」ことをフリーランスのデメリットとして挙げられることがありますが、払拭すべくあえて最先端技術のプロジェクトを多く持つエージェントもあります。
👉 複数のエージェントに登録していくつかの紹介案件を比較検討し、もっとも条件の良い案件を選択するのが王道です。おすすめのエージェント数社については下に後述しています。
2-9.経営マインドが身につく
フリーランスをやっていると、いつしか自営業という自覚が芽生えるようになります。
時間で稼ぐという考え方から高単価の仕事をいかに短い時間で成果をあげるかという生産性の面に関心がシフトするようになります。サラリーマンのように会社から守られておらず、つねにリスクと向き合うことで経営者としての意識がはたらきます。
👉 経験をつむことで、時間で稼ぐよりもスキルを高めて単価の高い仕事をとれるようにするための自己投資に時間とお金を使うようになります。つねに目線は数年先にあります。
2-10.社会的ニーズが高く息が長い職業
現在は仕事が多い割に、それに応えられるエンジニアの数が圧倒的に足りていません。ゆえに一人あたりの価値が高まり、それが報酬に反映されています。
2020年は30万人以上が不足、2030年には80万人以上が不足するといわれています。不足する限り、エンジニアとしての人材価値は維持され続けますし、国家戦略としてなんとかしないといけないということで、小学生が間もなくプログラミングを必須科目として学ぶようになります。
👉 この先あらゆるものが自動化およびネット接続される社会においては、それらが稼働するためのシステムをつくるのがエンジニアの仕事になるため、息の長い職業ともいえます。
3.フリーランスエンジニア《リスクや大変なこと》

3-1.すべては自己責任
言うまでもなくすべて自己責任の世界です。その代わりに自由裁量が与えられるわけですが、あくまで責任を果たすことが前提です。
会社員であればある程度の保証はあるものの、フリーランスの場合収入も業務の遂行も体調管理もあらゆる責任は個人で負います。最初はそれなりにプレッシャーもありますが、そこは覚悟の上です。
技術的な課題にも多く直面すると思いますが、エンジニア特化型Q&Aサイト【teratail】(回答率92%)のようなサービスもあるのでうまく活用するとよいです。
👉「すべて自己責任」を言い換えると、「すべて自分で決めることができる」です。軌道に乗り出せばこんなに楽しいことはありません。
3-2.確定申告や節税、保険手続きは自分で
はっきり言ってめんどくさいです。生産性ゼロですし。ただこれはルールなので、ぶつくさ言わずに淡々とやりましょう。
僕もフリーランス5年くらいやってますが、お金関係には慣れました。まず確定申告は手作業でやると膨大に時間がかかるので、クラウドアプリを使うのが得策。僕は「freee」を使ってます。超かんたんです。
あと節税も大事。所得収入ありすぎると、翌年の税金高くなります。いろんな節税対策がありますが、やっぱり「個人型拠出年金(iDeco)」が最強です。
👉 あとは毎月の保険ですね。「社会保険の任意継続(条件あり)」または「国民健康保険(国保)」になるでしょう。たいていのフリーランスは後者にいずれ落ち着くかと。言っておきますが、国保はけっこう高いですよー。
3-3.ダラけないための時間管理
とくに「在宅型」だと何時に起きてもいいし、平日であってもその日は休みにしてもいいわけです。となるとついダラけます。その点「常駐型」だと、毎回決まった時間に客先に出向いて決まった時間に帰れますので、在宅よりはまだよいのかもしれません。
いずれにせよ、時間をいかに味方につけるか次第で生産性に直接影響してきます。自分が朝型なの夜型なのか、どの時間帯がコアタイムなのかを把握しておいた方がよいです。そうでないとなんのためにフリーランスになったのか、わからなくなってきます。
👉 在宅型におすすめなのは、意識的に「儀式」を取り入れること。決まった時間に料理やランニングなど、あらかじめ固定でスケジューリングしておくとよいです。行動の「節目」となり、健康維持にもつながります。
3-4.健康とモチベーションをいかに維持するか
自由と引き換えに自己責任を追わないといけないと前述しましたが、基本は健康とモチベーションです。
仕事柄デスクワーク中心で運動不足になりがちである上、会社に所属しないためふだんは孤独です。もちろん常駐先にはクライアント社員がいますが、見えない壁があることも。
👉 人との接触や交流はモチベーションに大きく影響します。客先でがむずかしいときは、勉強会コミュニティといった仲間同士で学ぶ環境に身を置くことでモチベーションも維持されます。
4.営業不要!案件の獲得はエージェントに任せる
開発が本業であるエンジニアが、自分で案件をつくるために営業活動を行うのは非効率です。営業経験がないのであればなおさら。
「餅は餅屋」と言われるようにエージェントを活用するのが効率的です。
彼らは企業と自分の間で代理交渉し、自分の条件にあった案件を紹介してくれます。
4-1.エージェント活用メリット
主な活用メリットは以下のとおり。
- 自分で営業せず安定して仕事を獲得できる
- 高単価の案件を【無料】で紹介してくれる
- 報酬などの面倒な条件交渉を代行してくれる
- 面倒な事務手続きを任せられる
- 交通費や書籍・勉強会代など必要経費を支援してくれる
5.定番人気のおすすめエージェント4社【無料】
PHPやJAVAを多少かじってる僕も、実は以前何社かエージェントを利用したことがあります。「とりあえずココ!」的な定番人気のエージェントを何社か紹介します。

5-1.平均年収801万円!最大手「レバテックフリーランス
」

- 業界最大手
- 平均年収801万円
- 36,400人のフリーランス登録数
- 企業直請け案件および高単価の案件が多い
- 保有案件数は常時800以上
- 契約延長率は90%超
👉 フリーエンジニアの案件探しは、Web案件数業界最大級のレバテックフリーランス
5-2.地方フリーランスの心強い味方「ギークスジョブ」

- 15年以上の支援実績
- 地方フリーランス案件が充実
- 各地でフリーランス初心者向けセミナーを実施
- 高報酬案件を多数保有、福利厚生も充実
- フリーランス同士の交流機会の提供
5-3.給与保証・保険半額負担が魅力の「midworks」

- 保有案件3000件以上
- 在宅型・リモート案件が多数
- 平均年収238万円アップ
- 保証は正社員と同等
・保険半額負担(労使折半)
・瑕疵担保保証(ローリスクな仕事) - 独立支援プラットフォームを構築
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5-4.報酬は業界最速水準の翌月15日支払い「High-Performer」

- とくに上流案件に強い
- 平均月額報酬80万円超
- プライムベンダー案件93%以上
- 12年以上の実績
- 全登録者数6000名超
👉 上流エンジニアを目指すなら【High-Performer】
6.今後も市場や人材価値の伸びしろが大きい
働き方に関する話題の本『半年だけ働く。』の著者である村上アシシ氏は、一年を「仕事:旅行=5:5」で過ごします。
仕事は自分で営業せずにエージェントを使って獲得。期間が半年かつ旅行資金が稼げる報酬が得られるプロジェクトを選んでいるそうです。
働き方は生き方でもあり、お金と時間といった人生を楽しむために必要な「資産」を生み出すための活動です。
これからの市場や人材価値の伸びしろも大きいフリーランスエンジニアという働き方は、それらの「資産」を生み出す最適な活動手段です
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