“小さな組織が大きな仕事をつくる”のに最適な『武器』の一つがEvernoteです。
Evernoteのユーザー事例を不定期で配信する、その名も「Evernote and Me」。
四回目はリクルートキャリアにつとめる西村創一朗さん(@souta6954)です。彼をひと言であらわすと、“さわやかロジカル好青年”といった印象で、まず九州にはいないタイプのビジネスパーソンです。
2008年10月、大学一年時に学生結婚。 翌2009年5月に「学生パパ」に。 2011年4月よりリクルートエージェント(現リクルートキャリア)に入社し、ネット業界の企業の採用のお手伝い。 2011年11月に次男が誕生し、社会人一年目にして2児のパパに。 モットーは「仕事と育児の二兎を追い、二兎を得る」。
20代半ばながら人生紆余曲折、そのあたりはSTORYS.JPにくわしく書かれています。
【関連】【第1話】19歳で「学生パパ」になった話。【「決意」は秒速で。】
西村君の頭の中ってどうなっているの?
川添「僕の中では間違いなく西村君がNewsPicks(NP)を盛り上げた立役者なんだけど、」
西村「ありがとうございます」
川添「いつもコンスタントにNPコメントやブログで情報発信しているけど、西村君の頭の中ってどうなっているんだろう?」
西村「どうなんでしょうね(苦笑)」
川添「妖怪ウォッチはなぜヒットしたと思う?」
西村(間髪入れず)「はい、それは◯◯◯だからです(キリッ)」
納得。上のようにキリッと即回答できるその瞬発力がすごい。想定した10倍くらいの回答が返ってきました。
西村君のNewsPicksを見ていても同様で、自分の考えをのせつつも絶え間ない速攻コメントにいつも驚かされています。
入社一年目ではじめた『日刊創一朗』でアウトプットの重要性を体感
そもそも西村君のアウトプットの礎のようなものはどのように培われたのか?をひもといていくと、その一つが入社一年目ではじめた『日刊創一朗』であることがわかりました。
これは西村君が配属初日からはじめた独自の取り組みです。
学生時代から情報収集は得意だった彼は「自分が得意なことで少しでも組織・会社に貢献しよう!」と思いから、業界のニュースを7〜10本ほどまとめた『日刊創一朗』というキュレーションレターを毎朝欠かさずに、一年配信し続けたのです。
3ヶ月もすると、『ネット業界といえば、日刊創一朗の西村だ』というブランディングが定着し、一回り以上年齢が上の方ばかりの組織に呼ばれてネット業界の勉強会の講師をさせて頂いたりなど、本当にたくさんの機会を頂けるようになりました。
『日刊創一朗がなければ、いまのぼくはない』といっても過言ではないくらい。「一日たったの30分でできる、誰でもできるしょぼいこと」でも、毎日続けるだけでこんなにも絶大な成果を上げるわけです。情報収集のみならず、「アウトプット」の重要性を肌で感じた入社一年目でした。
(引用:入社してはじめての週末に試してほしいこと。)
いつしかグループ、部署、役員をふくめた全社まで広がり、一部取引先にも配信されるようになっていきました。
「日刊創一朗がなければ、いまのぼくはない」と自分で言わしめるほど。当時の原体験が現在のNewsPicksでの精力的な情報発信にも派生しているようです。
Evernoteは情報の引き出し。すぐに取り出すためにタグ付け
継続的なアウトプットを生み出すためには、前提としてインプットしないとしないといけない。これは必然たること。
そこで西村君が活用しているのがEvernote。
彼にとって、Evernoteはあくまで情報の引き出しという位置づけ。仕事などでアウトプットが求められるシーンで、すぐに情報が取り出せるようにタグ付けがなされています。
サッと情報を引っ張り、バシッと自分の考えと結びつけアウトプットがなされます。トークなのか、プレゼンなのか、文章なのか、それがどんなカタチであれど、瞬間的に化学反応を起こしているわけです。
情報を入れる基準は『あとあと何かのときに使えるか』
川添「Evernoteに情報を入れる入れないはどうやって決めているの?」
西村「あとあと何かのときに使えそうかどうかで決めています。いま僕の中での関心ワードが10個くらいあります。『キャリア』『WLB』『リーンスタートアップ』などです。それらにひっかかる情報をEvernoteにぶち込むようにしていますね。2400のノートのうち2300はそれらに付随する情報です」
川添「いまは直接必要ないけど、いつか役に立つだろうという観点でインプットするわけか。情報を入れようとする段階で、先々に意識が向いているからまさに未来志向な使い方だね!」
ひらめきを誘発し、新しい行動や発想に導いてくれる
西村君の話を聞いているうちに、Evernote Japanの外村会長(@hokayan)が昨年東北大学で学生向けにおっしゃっていたことを思い起こしました。
やはりキーワードは「未来志向」。以下、少しの記録と記憶をもとに再現します。写真は「話せ場agora」より。
われわれは何かを探すときに検索エンジンを使うが、翌日も翌週も同じことをくり返しいることが多い。これは時間のムダ。Evernoteに先に情報を入れておくことで、何度も検索しなくてもよくなる。つまり過去に行った知的活動の再利用ができる。おもしろいことにこれを続けていると、頭の中の方向性が変わってくる。具体的には、情報を保存するときに『これはあのプレゼンに使えるかもしれない』『あの研究に使えるかもしれない』と先に目的ありきで情報を入れるようになる。
当初こんなつもりで保存したつもりではなく、その時点では想像もしていなかった。けれども思いもよらないところで、過去に記録した情報が役に立つことがある。セレンディピティとも言われるが、Evernoteはひらめきをより誘発してくれる。
単に情報を保存するだけの受け身ではなく、将来役に立つだろうという未来志向でEvernoteを使ってほしい。きっと君たちを新しい行動や発想に導いてくれるはず。
ある意味、上述の『日刊創一朗』も未来志向な媒体ということになります。「いまはペーペーかもしれないけど、いつか会社に貢献できる人材になろう。そのために自分がいまできることをやろう」という発想からきています。
今回の対話を通じて(といっても一時間のランチですが)、Evernoteが、西村君のキリッと速攻アウトプットの裏付けとなっているだろうことが、私の中でイメージできてきました。
先のことを考えながらインプットする—。最初は慣れないかもしれませんが、一度感覚をつかんでしまえば、新しい発想へと開けてくるそんな期待感も持つことができました。西村君、貴重なお話ありがとうございました。
つい先日、同志社大学の博士課程の手塚さんという女性の方の事例がEvernoteJP公式ブログに紹介されていました。
私は「情報は記録が目的ではなく、未来に活かすために保存」というくだりがもっとも印象に残っています。西村君と相通じますね。おそらく二人は互いに同じくらいの世代です。
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