“小さな組織が大きな仕事をつくる”のに最適な『武器』の一つがEvernoteです。
Evernoteのユーザー事例を不定期で配信する、その名も「Evernote and Me」。前回に続いて二回目の更新となります。
今回は、福岡県糸島市に魅せられ、数年前に他エリアから家族で糸島移住をされた西川健一さん(@itoyuru)。
西川さんはいわゆる会社員ブロガーというやつで、普段は会社員をしつつ、糸島市のグルメや人気スポットなどをゆるい感じで紹介するブログ「糸島ゆるゆるライフ(通称:いとゆる)」を運営をされています。
使い始めて最初の1〜2年くらいは悶々としていた
Evernoteは2009年から使いはじめるも最初はどう使っていいかわからなかったという西川さん(現在プレミアムアカウント)。彼のブレイクスルーのきっかけとなったのは日記でした。
「私にとってEvernoteはライフログ(日々の記録)ツール。毎朝5時半に起きて、前日に起きたことや感じたことをEvernoteに日記として記録しています」
GTDという言葉をご存知でしょうか。Getting Things Doneの略称で、生産性を上げることを目的としたワークフローの管理手法のことをいいます。
「ナレッジワーカー(知識労働者ないし頭脳労働者)の仕事術」と呼ばれ、「次に何をやるか」という予定やスケジュールの管理、作業する上でのモチベーションを損なわないための体制作りなどが含まれる。心理的な負担を減らしながら個人の生産性を上げることを主眼とし、簡単な5つのステップを実行することによって成し遂げたいことを現実にするメソッドである。基本はなすべき仕事のリストを何かに記録しておくことで、頭の中からなすべき仕事のことを追い出すことである。これで頭の中はすべき仕事全部を覚えなくてもよくなりすっきりとし、リストに基づき実際の仕事をこなすことに集中できる。
(引用:Getting Things Done – Wikipedia)
西川さんはGTDの実践者で、前日のふりかえり(レビュー)を毎朝一時間近く行っています。
川添「見た目の印象はゆるいですが、マメですね〜!」
西川「はい、マメです」
工夫されているのが、日記(前日レビュー)に書き出す項目のテンプレート化。毎回コピペして書いているそうです。Evernoteはまっさらなノートだけにあらかじめひな形を用意しておくと便利ですね。
西川さんは前日だけでなく、一週間、一ヶ月、半年、一年と決まったタイミングでレビューすることを習慣化しています。
習慣とは「仕組み」です。多くの人が三日坊主で終わることの要因は精神力の弱さではなく、仕組み化できているかではないかと私は考えます。
西川さんの話をうかがうに、仕組みをまわしていくためのマネジメントが自然とできている印象を受けました。なにより「目的」「目標」「手段」がはっきりしています。
- 目的=なんのために?
- 目標=どうなりたいのか?
- 手段=そのために何をいつまでにやるか?
たとえば5年後の具体的な目標をノートに記し、毎朝かならず目を通しているそうです。
目標ノートは、Evernoteのショートカットに保存しているので、検索してさがすことなく即ノートを呼び出すことができます。
手段そのものが好きになれることがポイント
私が好きな野口吉昭さんの習慣化に関する著書の中で、「手段そのものが好きになれることがポイント」というくだりがあります。
目的や目標のために始めた「手段そのもの」を好きになることができれば、本来の目的を達成するのは容易になる。取り組んでいて苦痛でないもの、楽しいものを手段として設定すべき。
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これは大いに賛同します。
手段そのものを楽しめないもの、またはハードルが高すぎる手段を設定すると、習慣化はむずかしくなります。
2007年に流行したビリーズ・ブート・キャンプも、多くの人が一斉入隊するもあえなくリタイアしたのもハードルが高すぎたゆえ。精神力で乗り切ろうとしても無理のある話です。
数行のテキスト日記など小さなことからはじめられるEvernoteは、西川さんにとって最適な「手段」として機能しています。
年を重ねるごとに自分の記録がつみ上がっていく
一見めんどくさそうなGTDも、西川さんにとっては当たり前のことであって好きでやっていること。そうでなければ5時半に起きてやらないでしょう。まさに朝飯前。
日記のほかにも、ブログのネタを「FastEver」のアプリを使って記録。毎朝の体重は「FastEver Snap」の写真アプリで数字ではなく、体重計の写真をそのまま記録しています。
Evernoteをみわたすと、ライフログ(日記・体重記録ほか)、ブログアイデア、大好きな車やスイーツの写真などであふれています。
「自分の好きなことがEvernoteにたまっていくのは単純に楽しいです。ノートがたまっていくのは、年を重ねるごとに自分が歩んできたことの記録がつみ上がっていくということ。ずっと使わざるを得ませんね(苦笑)」
ノートブックも以前はたくさん作っていたそうですが、凝り出すとキリがないため、見切りをつけて今ではずいぶんと簡略化したそうです。
「自分の好きなことのために、工夫しながらシンプルに使っていきたいですね」
私も糸島在住歴20年近く経ちますが、ここ数年は観光客も増え、以前とくらべるとずいぶんと様変わりしているように感じます。ただ、いい意味でのめんどくささは残ったまま。
私としては糸島で、Evernoteをがっつり使っているユーザーとつながりを持てたことはうれしい限り。これから地元糸島でおもしろいことをやっていきたいと考えています。
西川さんイチオシなのがスイーツのお店「フルーレ」。糸島へお越しの際はぜひ。
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