“小さな組織が大きな仕事をつくる”のに最適な『武器』の一つがEvernoteです。
Evernoteのユーザー事例を不定期で配信する、その名も「Evernoteと私」。五回目はデザイナーの久下玄(くげ はじめ)さんです。
デザイナー/エンジニア/ストラテジスト。家電メーカーのプロダクトデザイナーを経て、統合型デザイン会社のtsug(ツグ)創業。国内外様々な分野の企業をクライアントとして製品開発や事業開発、戦略立案に携わる。
デザインとエンジニアリングを統合したアプローチで、ハードウェアからアプリケーションまで手がける。近作にneurowearの脳波ヘッドフォン”mico(ミコ)“等。加えて、2012年よりスマートフォン決済サービス”Coiney(コイニー)“の創業に参画。プロダクトストラテジストとしてハードウェア量産開発を中心に、サービスデザイン全般を担当。(引用元:tixee)
実は久下さん、2012年7月にEvernote公式ブログで紹介されていました。
【関連】「Skitchは脳をシンプル化してくれる」―― プロダクトデザイナー久下さんに聞く、Evernote&Skitch活用(Evernote日本語版ブログ)
私はクリエイターならでは?とも言うべき、久下さんの“右脳的”な使い方に前々から興味を持っていました。今回じっくりと話を聴かせていただきました。
「Evernoteはポケット的に使っています」
(川添)「久下さんの右脳的な使い方に関心を持っていました」
(久下)「ありがとうございます」
(川添)「お願いがあります!差し支えのない範囲でEvernote、見せてください!」
(久下)「はい。(Evernoteを開きながら)ポケット的な使い方ですよね」
(川添)「打合せメモやアイデアメモが多いですか?」
(久下)「そうですね。打合せや録音メモ、WEBクリップ、それからデザインスケッチですね」
(川添)「なんでもポケットに放り込むイメージですね」
(久下)「はい、結局のところいつかひっかかればいいわけです。Evernoteならキーワード検索で足りますからね」
「ラフに検索してもひっかかるのがいい」
久下さんは、アイデアやコンセプト案などをEvernoteにクリップする際には、日本語は使わないようにしているそうです。それはなぜか?
「日本語だと曖昧で自分でも何を書いたのか思い出せないんです。だから英語で書きます。英語は日本語とくらべて意味が明快。実際、文字認識の検索精度も英語の方がよいです。ラフに検索してもひっかかるのがいいですね。プロジェクトには英語圏のメンバーもいますので、共有することをふまえると英語になりますよね」(久下)
フラット、直感。身体になじむEvernote
久下さんのMac Book画面のEvernoteの表示形式は「カードビュー」。ノートのタイトルと画像、テキスト一部が可視化されています。ここにも理由があります。
(※)この画像は川添のEvernote画面です。画面いっぱいにフルカード表示も設定可
「階層化されずにフラットに表示されるのはいいですね。Dropboxのようにフォルダ階層だと、探すのに時間がかかって仕事にならないです。探している間に忘れてしまうリスクもありますから。直感的に検索・表示されるEvernoteが身体になじんでいます」(久下)
「仮にEvernoteがなかったら?」という質問をぶつけてみたところ、「それは困りますね!もうなじんじゃってますからね」と即答が返ってきました。
「重要なのはとにかくスピード」
仕事の専門分野が異なるメンバー同士がチームとして、大小あらゆるプロジェクトに臨む久下さん。もっとも重要なこと、それはスピードだそうです。
「われわれはとにかくスピードですよ。そのために常にプロジェクトが円滑に動くように工夫しています。ツールにしてもそう。情報をすぐに引っぱり出せるEvernoteしかり、コミュニケーションツールもしかりです。たとえば今はチーム内の情報のやり取りには『Slack』や『Appear.in』を使っています。これも詳しいメンバーが目利きして選別したものなので、まず間違いないですよね」(久下)
こちらは久下さんが昨年手がけられた作品の一つ。ユーザーの脳波からその時々の気分を読み取り、音楽をレコメンドしてくれるヘッドフォン型デバイス『mico(ミコ)』。未来を思わせるとてもユニークなこのデバイスも、分野が異なるメンバー同士が手を組み、わずか三ヶ月で作り上げたそうです。
モノが体験が生み、体験が世の中の常識を作っていく。つまり、人々の生活に本当の意味で変革をもたらすのは、「どんな体験を提供するか」という作り手のビジョンなのだ。それを示すことこそがイノベーションだと考える5人だったから、ブレることなく短期間で『mico』を形にできたといっても過言ではないだろう。(中略)
「仕事の専門分野はそれぞれ違っていますが、僕らはそれぞれが自分の名前で仕事をしている点で共通しています。言ってみれば、メンバー全員がアーティスト気質なんでしょう。そういう意味で、皆が『mico』を自分の作品だととらえているし、妥協せずにモノづくりに取り組めたんだと思います」(久下氏)
【引用元】脳波で音楽をセレクトするスゴいヘッドフォン『mico』は、時代を象徴するようなオープンイノベーションで生まれた(エンジニアtype)
妥協しないモノづくり。その傍らにはつねにEvernote
印象的だったのが、「能力ではなく、かけた時間だと思います」という言葉。これは、私の「どうしたら世の中の人が欲しいモノをつくりだすことができるようになるか?」というイカニモな素人質問への回答でした。
久下さんの傍らにはつねにEvernoteという道具がある。長い時間使い込むほどに、新しいアイデアを生み出すための「武器」になっている— 。今回の話を通じて私の目にはそのように映りました。
同時に、便利さとしての道具から「武器」に変えていくために必要なプロとしての姿勢もうかがい知ることができました。これからどんなモノを世の中に生み出されるの非常に楽しみです。
気がつくと三時間が経過。Evernoteの話題から、子育てや休日の過ごし方やGoProまで話が派生して楽しい時間を共有させていただきました。久下さん、大変貴重なお話ありがとうございました。
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