支店経済からの脱却か?福岡が「九州の東京」でなくなる日

ゾエ (Yuki Kawazoe) 
支店経済からの脱却か?福岡が「九州の東京」でなくなる日

国家戦略特区の福岡市が法人税率15%への引き下げ案を国に出したというニュースがにぎわっています。

福岡はよく「支店経済」と言われています。

本社は東京にあり、福岡にあるのは支社や支店であるという意味です。

支店経済は飛び込み営業泣かせ

法人営業をしていた若かりし頃は、支店経済と呼ばれている理由を身をもって経験していました。

新米営業マンだった私は、ビジネス街である博多駅周辺を飛び込み営業をしていた時期がありました。「あ、うちは本社が東京ですから、こちらには予算も決裁権もありませんよ」という華麗な切り返し文句をよく浴びていたものです。

福岡市が国家戦略特区となり、法人税率15%が実現すれば、ウチでの創業促進、ソトから優秀な人材とカネを呼び込むための十分な吸引力になりえます。福岡に拠点を置く企業が増えるため、呼応して営業先も増える。

新しい国家モデルに向けた足がかりに

ただし今回対象となるのは「創業5年以内」という条件付き。

福岡市は「創業特区」であり、2014年にスタートアップ都市を目指す宣言をしています。言うなれば、法人税率15%はスタートアップのための施策となります。

実際のところ、創業して当面の間は赤字続きで法人税は払えないというのが実情ですが、日本の新しい国家モデルに向けた足がかりとなる政策提案であることは間違いありません。

国家戦略特区はそもそも規制改革の突破口としての役割を担います。福岡市の施策実施を機に、スタートアップに限らずとも条件が緩和撤廃されていくことも期待できます。まずは第一歩となる重要な政策提案です。

ガツガツした男子学生がほしい地元企業

近い将来、法人税の規制改革がなされた場合、福岡には東京のように営業先企業の絶対数が増えます。数年後、飛び込み営業という手法はずいぶんとレガシー化しているでしょうが、ビジネスをする市場としてはさらに広がります。

もう一つ、地元への就職率が高まることも予想されます。
数年前、新卒採用の業務支援を行っていたとき、よく顧客企業からこんな課題を聞いていました。

「うちはガツガツした男子学生がほしい。彼らは九州・福岡の企業では物足りないようで東京へ行く。一方で女子学生は総じて元気がよく、ポテンシャルも高いため、おのずと女子学生の採用数が多くなる」

ガツガツ男子は東京へ。
ガツガツ女子は九州各地から福岡に集まってくる。

東京は心配、でも福岡ならという「親御ブロック」

なぜ女子は東京ではなく、福岡か?

東京の方が福岡よりも就職先はたくさんあるのですが、嫁ブロックならぬ「親御ブロック」がはたらくため、「九州の東京」である福岡で就職先を探すという構図になっているとか。

東京だと心配やな、福岡くらいなら同じ九州やけん、まあよかね」ということ。一見、意味不明なロジックですが、やはり物理的な距離感でしょうか。これは就職に限らず、進学にも言えることですね。

実際に福岡市は他の政令指定都市と比べて20代女性比率が日本でもっとも高いという数字にもあらわれています。

支店経済からの脱却なるか

この先、福岡市を起点に創業企業や新規参入企業が増えれば、「支店経済」や「九州の東京」などと呼ばれることもなくなるかもしれません。

ソトから優秀な人材が集まり、東京に行かずとも地元で就職する人材も増え、優秀な人材の流出を防ぐことにもつながります。

法人税率15%化は、日本の規制改革に一石を投じるだけでなく、福岡にとっても支店経済からの脱却をはかる上でも大きなキーポイントとなると私は考えます。

 

(Photo by fukuokacity-koho / photozou.jp)


🔧このブログは、世界で1,000万ユーザーが利用するMindMeisterでアイデアを体系化・整理しています。