なぜWEBサービス界隈の人は仕事に酔いしれてしまうのか?

ivcon
川添(@kawazoezoe)です。

われらが山本一郎氏のこちらの投稿にとても共感しました。

ある局面だけ切り出してみるとビジネスではうまくいった、才能を発揮したと言えても、家庭が壊れてしまったり、不運な摘発で転落してしまったりという御仁も少なくないのを見ますと、人間どこかでバランスがとれるように高みから神は見ておられるのだということを実感します。100%胸を張れる仕事ばかりではなかったとしても、笑いながら振り返ることのできるような生き方をすることが、ウェブサービスなど人の便利に貢献する仕事に携わる人間が心がけるべきことなのではないかと強く感じる次第です。

ウェブサービス系の仕事は”効力感”を受けやすい

かくゆう私もウェブサービス系の仕事をずっとしてますが、リアルタイムにしかも理数的にリアクションが出ることから、自分がやったことへの反響や成果、つまり”効力感”をもっとも受けやすい傾向にあると思っています。

Facebookなんかやっている方はなんとなくお分かりになるかと思いますが、なにげない投稿から、友人がコメントし、さらにその友人がコメントするといった具合に、思わぬ盛り上がりになることがあります。

「それ面白いね、今度一緒にやろう!」

とばかりに、その勢いで急遽イベントを企画したり、侃侃諤諤に意見が言い合えるグループを作って、「今度飲もう」という流れに発展することも往々にしてあります。

友人が、おもしろい友人を引き連れてくることから、そのコミュニティ・ネットワークは広がっていく。

今風なかっこいい言葉であらわすと、”偶然なる幸福”ともいわれる「セレンディピティ」を誘発しやすい環境になっているんだなと思うことがあります。

「明日はどんなことが起こる!?」
「明日はなに仕掛けようかな、わくわく」

こういった誘発性みたいなものは、とくにネット系の人たちは、自分もふくめて比較的高い傾向にあるのではないかと。

「まだ誰もやっていないなにか」に興奮

さらに無形のサービスを商売のネタにしていることから、

「なんかその企画おもしろそうだね!」
「なんか新しいムーブメントになるかも!?」

といった、コミュニティで話題になったふわふわした価値概念みたいなものを、言語化し、ビジュアル化するスキルに長けています。

数日後には、「ぼくらの◎◎」と括り、「これがぼくたち世代の新しいなんとかスタイル」と銘打って、世の中にリリースし、注目を集めようとします。

「まだ誰もやっていないなにか」

その蓋然性が高ければ高いほど、であればあるほど、リリースした瞬間、スカッと、とっても気持ちがよいものです。

そんな具合にウェブサービス系の一部の人たちは、「なにがおもしろいことが起こる!」といった期待感が常時あり、成果も日々「更新」されていくので、なにかに集中し没頭する”フロー状態”になって、その状態そのものに幸福感を感じます。

それはまるで今日も明日も明後日も一年後もずっと地続きになっているような感覚。

そこから次第に”家庭そっちのけ”という穴が空いていき、フロー状態が極限に近づくにつれ崩壊へのカウントダウンが始まってしまうわけです。

2歳の娘と数ヶ月会っていない

とあるビジネス系の人気アプリがあり、利用者数もウナギのぼり。メディアにも多数取り上げられ、「次の日本のイノベーターたち」という特集を組まれるなど、神格化されつつありました。

その開発会社のエラい人(以下「エ」)と飲み会でご一緒する機会がありました。

年も一緒くらいでSNSの投稿からするに妻子がいる模様。

(私)「お子さん、おいくつですか?」
(エ)「2歳になりますね。娘です」
(私)「僕も娘がいます。かわいい盛りですね〜」

とここからパパ談義で盛り上がる手はずはできたと思いましたが、

(エ)「でも、ここ数ヶ月会っていないですね」
(私)「え!?なんでですか?」
(エ)「いや、今が一番重要な時期なんで。ここで手を抜くと大手に参入されますから」
(私)「・・・」

はい、パパ談義、終了。

笑いながら振り返られる生き方を

かくゆう私もサラリーマン時代(ネットベンチャー起業)に、深夜4時に帰宅して朝8時半出社(遅れると上長からケツバットの刑w)という暗黒時代を経験しましたが、完全なる”仕事フロー人間”でした。

いま思えば、私が家庭崩壊の危機から脱することができたのは、父親支援のNPO仲間との出会いがきっかけでした。

妻には多大なる迷惑をかけてしまい、今も頭が上がりませんが、「そんな漆黒の時期もあったね」と、山本一郎さんが言われるような「笑いながら振り返られる生き方」をしていきたいなと、一介のウェブサービス人として、強く思う次第です。

(img via:keepon i)

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