小さな組織は1人あたりGDP世界一のルクセンブルクに倣え

ゾエ (Yuki Kawazoe) 
小さな組織は1人あたりGDP世界一のルクセンブルクに倣え

ルクセンブルクは、国民一人あたりのGDPで世界第1位の国です。

面積は神奈川県くらい、人口はわずか約50万人の小さな国。両サイドをフランスとドイツの大国にはさまれています。

かの孫子が、「敵を知り己を知らば百戦危うからず」という言葉をのこしています。強国にはさまれた小国が生き残るために、どのような戦い方をしているのか。調べてみたところ、ルクセンブルクという国は、孫子の戦略を体現していることがわかりました。

そこで、これはもっとミクロにみたときに、「小さな組織が、大きな仕事をするための戦い方となぞらえることができる!」と勝手に思いこみ、勢いにまかせて小さな国と組織の戦い方のポイントを三つにまとめてみました。

① オープンにする

ルクセンブルクに限らず、上位にランクする小国ほど、国を開いてオープンにしています。オープンにすることで、自国の得意な分野に特化して、それ以外は外国にゆだねることで効率を高めています。

小さな国は一国ですべてのことをまかないきれず、オープンにしなければ生きていけません。そのためやむなく国を開いてきたのですが、結果的に効率が高まり、一人あたりGDPも高まってきました。

小さな組織もこれに倣い、ブログやSNSを活用して、情報発信をしましょう。発信し、オープンにすることによって、広く自社の価値を知ってもらうことにつながります。

ただし、定期的な発信を。なぜなら、頓挫していることすらも、オープンになるのですから。

② 少数精鋭にする

ルクセンブルクの人口約50万人のうち、外国人が占める割合は およそ40%。その多くが周辺国から出稼ぎです。そのため、昼の人口は夜の2倍になります。東京の都心のように、昼間会社に来て、夜には他県の自宅に帰るのとにていますね。

そもそも、ルクセンブルクは帰化の条件が厳しく、家賃も高い。となると、外国人はわざわざ住まないですよね。これぞ、住まわせることなく十分な通勤圏内で、労働力を提供してもらう仕組み。国民1人あたりのGDPでは、分母に加算されないため、必然的に値が大きくなるのもうなずけます。

小さな組織もこれに倣い、ムダに社員を雇うことなくとも、生産性の高い仕事を実現させましょう。ルクセンブルクのように、外部のリソースをもっと活かします。たとえばクラウドソーシング。

あらゆる能力とスキルをもつスペシャリストが、何万人もいます。わざわざ通勤で、”来てもらう”必要はありません。人を採用するときの「面接ではよかったけど、入ったら失敗だった…」というリスクもなくなります。

最初は抵抗ありますが、慣れます。まずは低い単価からはじめて、慣らしていきましょう。大丈夫、人間は慣れる動物ですから。これで人件費が、グッとおさえられますよ。市場規模もぐんぐん右肩あがりで、2017年には1,473億円規模に達するのだとか(総務省)。いまからライバルに先手を打って、少数精鋭の布陣を築きましょう。

③ 変化に対応する

ルクセンブルクは、いまやヨーロッパの金融センター。すこし前までは、この国の豊かさを支えていたのですが、リーマンショック以降にはビジネスを金融以外にも「分散」させることが重要だと考え、最近はIT企業の誘致にも力を入れています。

そう、国策がいちいち理にかなっていて、動きが速い!

近代からの産業シフトをざっくりしめすと、「農業」⇒「鉄鋼」⇒「金融」⇒「IT」という華麗なる転身をはかっています。しかも、オイルショックやリーマンショックなどの転換期に見事にシフトしている。

一方で、法人税も低いこともあり、タックスヘイブンの国(amazonは欧州全体の売上を同国法人に集めて節税)としても知られていますが、是非はともかくなんともしたたかではありませんか。

小さな組織もこれに倣い、変化をかさねましょう。意思決定者とスタッフの距離も近いので、いつでもボトムアップ提案できるはずです。

ひとつアドバイスを。

「社長!◯◯を自社にとりいれると、◯◯な効果が見込めます。中長期的にみるといまやるべきです」と大義名分と打ち立てましょう。でも本当はそれによって自分自身が働きやすくなるなど、自分がのぞむ仕事環境が同時に手に入れられるための手段としての提案であることがポイントです。たとえばテレワークなどです。

ダーウィンも言っていましたね。「変化に最も対応できる生き物が生き残る」と。朝令暮改が、いまや組織を強くする時代です。

小さな国、小さな組織なりの戦略を

おもいのほか、長文になりました。

記事にした発端は「なぜルクセンブルクが、一人あたり GDPが世界一なのか?その構造を見抜きたい!」という、ふとした好奇心から。次の瞬間には「小国の戦略をモデル化して、小さな組織の戦略として適用できないだろうか?」と、実用性をあれこれ想像していたら、いつのまにかキーボードをたたいていました。

大国にはさまれている小国なりの戦略。最初はとにかく貧しい農業の国でしたが、節目節目で変化を受け入れて強くなっていきました。

ヨーロッパは国によってポートフォリオがまったく異なります。金融業の国もあれば、農業の国、観光業の国も多くあります。自社の組織にてらしてみて、掘り下げてみるというアプローチ、なかなかユニークと思いませんか?

即効性は低いかもしれませんが、応用できる範囲は広いと思います。いまの時代、会議室のなかでは、思いつかないようなことを着実にする組織が、長〜く生き残っていくのではないかと考えています。

今回、多くの着想を細谷さんの本から得ることができました。ありがとうございました。

(photo by Trey Ratcliff / flickr)



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