“冬の札幌”にもう事件はいらない!オカダカズチカ、新日本プロレス“暗黙の儀式”からの解放宣言

ゾエ (Yuki Kawazoe) 


ivcon
どうも三度の飯よりプロレスが好きなZOEです。

先日、元週刊プロレス編集長で、“活字プロレス”を世に広めたターザン山本氏がこんなツイートをしてました。

事件は起きなかった!期待してたのに…

そう、2月5日に行われたオカダカズチカVS鈴木みのるのIWGPヘビー級選手権試合。

“冬の札幌”にもう事件はいらない!オカダカズチカ、新日本プロレス“暗黙の儀式”からの解放宣言

その試合結果が、週プロ最新号に掲載されていて、山本氏のツイートに表紙と記事の一部の画像が添付されていたのです。

プロレス業界では言うところの「雪の札幌」事件。33年前に新日札幌大会で、藤原喜明が長州力を襲撃したあの事件を発端に、「雪の札幌でなにかが起こる!」「2月の札幌大会を見逃すな!」といった具合に、“お決まりフレーズ”としてファンの間でも定着していました。

でも2.5の札幌では、事件は起きなかった!

「今回はなにが起こるんだろう!?」と、みんな期待していたのに。

オカダ「冬の札幌?事件は起きません」

週プロにはこう書いてあります。

いまの新日本をけん引するオカダの姿勢は決まっている。今大会のポスターに躍っていた「事件はいつも真冬の札幌で起こった!」のコピーと真逆の方向こそ、オカダが新日本を導く道となる。

「ポスターに書かれているってのは最近知りましたよ。ボクが変えます。冬の札幌は事件は起きません。(オカダ談)」

そのポスターがこちら。

“冬の札幌”にもう事件はいらない!オカダカズチカ、新日本プロレス“暗黙の儀式”からの解放宣言

 

そう、プロレス界には、昭和の時代からの“儀式”が多々ある。それらはテンプレートと化して、現在のプロレスのなかで暗黙的に用いられている。

でもそんな昭和の予定調和は、現在のプロレスには必ずしも要らない。

で、山本氏のツイートにコメントして、次のようにRTしたところ、プロレスファンと思しき人たちが、次々にRT。

 

空気を読まずに、空気を変えたオカダ

暗黙の儀式は、「前例に倣って、なにかしないといけない。」というヘンテコな重圧を生み、ときに息苦しい空気が流れる。

でもオカダカズチカは、そんな空気を読まずに、みずから空気を変えた。

予定調和から飛び出して、「別に自分たちのやりたいようにやればいいじゃん」という素直な感情に沿ったプロレスをやってのける。

潜在的にそれを求めているファンもきっといるはず。

だって昭和の時代とずいぶん環境が変わっているし。

“脱・組み体操プロレス”への渇望

僕らは、YouTubeやabema.tv、新日本ワールドなんかで、手軽に過去の名勝負などのアーカイブに身を投じて、過去と現在のプロレスシーンを自在に行き来できるようになった。

その結果、どうなったか?というと、よく悪くも“先読み力” が醸成された。

「あ、この抗争の結末はこうなるな。」
「1.4ドームにつなげるわけね。」

先読みリテラシーを身につけたファンにとっては、予定調和なプロレスはおもしろくない。

「紙のプロレス」創設者の山口日昇氏さんに言わせると、「今のプロレスはまるで組み体操だ」と皮肉る。

組み体操はもういいよ。最初はサボテンで、最後はピラミッドかタワーなんだろ?

でもね、それじゃもの足りない。僕らはプロレスという枠組みのなかでの、まだ見ぬプロレスが見たいんだよ。

そんな悶々とした渇望を、オカダカズチカはどこかの時点で察していたんだろう。

昭和から平成へ、美しいバトンタッチ

オカダの昭和プロレスからの決別を印象づけた試合がある。

それは、今からさかのぼること4年前、2015年11月の天龍源一郎の引退試合。オカダは昭和プロレスファンの前で、激闘の末に勝利する。

当時の週プロの表紙がこちら。「昭和プロレス 最後の晩餐」と書かれてある。

天龍選手はオカダ・カズチカに象徴される今現在の平成プロレスを昭和プロレスファンに向けて
「ね?今でも良い選手いるでしょ?これからもプロレス見てやってよ!」
そう伝えたかったのではないだろうか?

MVPの発言を巡ってカチンときた昭和プロレスファンも今回の試合で全てを許し、オカダというレスラーの凄さを目の当たりにし、興味を持ったに違いない。

天龍選手は昭和と平成の橋渡し役を果たしてリングを降りたのだろう。
それを全部背負って、引退試合の相手を全うし、拍手喝采を受けたオカダ・カズチカは更にとんでもないレスラーへと成長した。

昭和から平成へ、美しいバトンタッチだった。
(引用:天龍源一郎引退試合の翌日に思うこと

オカダを賛美するツイート。彼の評価が上がった。

 

思う存分、金の雨を。

今年の2.5の札幌大会は、冒頭の山本氏が言うように、“事件とスキャンダルでプロレスを引っ張って来たかつての時代、猪木イズムとの完全決別宣言”だと僕は思っている。

事件が起きなかったことが、むしろ事件になった。

オカダカズチカ、ひいては新日本プロレスに、これからもっと予定不調和なプロレスを楽しませてくれることを期待したい。

そしてオカダには思う存分、金の雨を降らせてほしい。



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