“ひとり社長”の仕事を楽にする。

Fukuoka Idea Work  投稿日:2014年12月16日

福岡市のクリエイターは夜な夜な飲み歩け

福岡市のクリエイターは夜な夜な飲み歩け
福岡市のスタートアップカフェが入ってるTSUTAYAで、『年収は「住むところ」で決まる』を読了。

はっきり言いますね。本のタイトルは釣りです。でも今年読んだ本の中でも指折りの良書でしたよ。

本の主旨は、クリエイティブ(ハイテク産業)を中心とした地域だけがもうかり、栄えるようになるというもの。米エンリコモレッティ教授による研究をまとめた一冊です。

ハイテク産業化で格差広がる!?

アメリカはかつて70〜80年代自動車や鉄鋼などの産業が崩壊、デトロイトにいたってはかつての人口の三分の一になっている。その後は金融とITがビジネスになった。Google、Apple、amazonなど。かつての産業よりもうかっているもの批判がある。

それはなにか?

金持ちはごく少数の知的ワーカーのみ。製造業のように第二次産業ではないため、下請けがない。周辺に労働人口が増えない。「これだと格差が広がるだけじゃないか」と言いたくなるのですが、モレッティの主張は、これをくつがえします。

生み出す新規雇用の差は3倍以上

おもしろいのはここから。

製造業の場合、新たに一件の雇用が生まれると、その地域でサービス関連の新規雇用は1.6件生み出されるそうです。雇用効果は一人ちょっと。

一方のITや金融系をふくむハイテク産業だと5件も生み出される。つまり、製造業とハイテク産業では、地域の雇用にあたえる影響が3倍以上も違うのです。

それはなぜか?

クリエイティブワーカーが集まる地域に、彼らが好むような飲食や音楽、ファッションなどクリエイティブなサービスが集積されるからです。自然と新しい街が形成されていきます。とうぜん雇用もふえます。

今年、これまた話題となった佐々木裕美子(@yumikosakuma)さんの『ヒップな生活革命』で紹介されたポートランドなんぞ、最たるモデルです。

“オレ消費”で地域がうるおう

福岡市のクリエイターは夜な夜な飲み歩け(写真はポートランドのコーヒーバー。たいていビールが飲める | photo by Anselm Hook)

ポートランドは以前は田舎街でしたが、NIKEやIBM、インテルなど知的産業が参入し発展していきました。次第にカルチャーが集積され、感度の高いインテリや大学生やヒッピーが移住してくるようになります。

カフェで語らいつつコーヒーを飲み、さらに夜はビール飲んで、“オレたち”の時間を楽しむ。そう、ポートランドといえば、クラフトビール。彼らは知的ワーカーだけあって、アイデアが資本。互いに語らう時間にこそ、インスピレーションが誘発されます。カフェやバーであっても、彼らからすれば立派な仕事場です。

こうして、日々ヒッピーたちによる“オレ消費” によって、お金がおちていき地域経済がうまくまわっていくというわけですね。

ヒッピーと一蓮托生ビジネス

もうひとつのミソは、製造業だと安いコストの新興国に仕事の一部をアウトソースできますが、飲食やカルチャーサービスはその地域でなければ、享受できません。だから街ができる。その中心にいるのがヒッピー。ヒッピーが地域にいる以上は、一蓮托生的にビジネスができるというわけです。

一度、クリエイティブな産業が集積されると、製造業のごとく、そう簡単には衰退しないといいます。むずかしい言葉であわらすと「経路依存性」がはたらくからです。つまり、都市の未来は過去によって決まるということ。身近にたとえると、むかしから土地をもっている地主がなにもしなくてもチャリンと定期的にお金が入ってくるのと同じです。

“ポートランド風シリコンバレー”を目指す福岡市

ITはもともとヒッピーがつくったもの。そう、ジョブズもかつてはヒッピー。クリントン、ゴア、オバマなど民主党あがりの政治家もみなヒッピー。アメリカではすでにヒッピーが国を動かしています。

「ヒッピー」は日本語訳がむずかしいと言われますが、前出の佐々木さんは「感度の高い」とか「イケてる」ととらえるとよいと言います。福岡市にもイケてるクリエイターって多いですよね。

福岡市のニュースサイト「#FUKUOKA」によると、“ポートランド風シリコンバレー” を目指しているとのこと。

福岡市のクリエイターは夜な夜な飲み歩け

福岡市がここまで移住者が多い理由には、ポートランド同様、街の住みやすさや環境の良さなど様々な要因がありますが、中でも若者に支持されている理由の一つが、福岡市の経済を支えるビジネス面にあります。デジタルコンテンツ関連企業が多く集まり、さらに全国6地域の国家戦略特区のひとつである「グローバル創業・雇用創出特区」にも指定されています。今後、ますますクリエイティブな企業が集まることが期待されており、ゆくゆくは“日本のシリコンバレー”を目指しています。
(引用)“ポートランド風シリコンバレー” 福岡市が目指すのは次世代型ハイブリッド都市?|#FUKUOKA

福岡市をポートランドとなぞらえるらならば、福岡市のクリエイターさんたちには、ひきつづき夜な夜な飲み歩いてもらうとよいですね。ハシゴするごとに、アイデアも乗数効果でセンスアップしていくハズ…。これからの福岡市に期待!

【関連】福岡市はセレンディピティが誘発される都市である

 

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このブログは、Evernoteでネタを貯め、MindMeisterでアイデアを体系化・整理しています。

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川添祐樹(Yuki Kawazoe)
サラリーマン、NPO、経済産業省調査官(クールジャパン担当)、フリーランスなどさまざまな仕事経験を活かし、現在は「“ひとり社長”の仕事を楽にする。」をコンセプトに、ITネット活用のコンサルティング・研修講師などの事業支援を行う。

・世界600万ユーザーのクラウドマインドマップ「MindMeister」のエバンジェリストとして、日本市場の拡大に従事。
・Evernoteコミュニティリーダー。
・ZOELOGは31万PV、福岡県糸島市在住。
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