スマホを捨てよ、旅に出ようー。東浩紀氏著『弱いつながり』読了

スマホを捨てよ、旅に出ようー。東浩紀氏著『弱いつながり』読了

めずらしく書評です。

東浩紀さんの『弱いつながり』。友人に紹介され、一気に読了。今年一番おもしろい本でした。文章もむずかしくなく誰でも読めます。文字量少ないのにハードカバーである理由がわからない、新書で十分なのに…。

グーグルが予測できない言葉を手に入れよ! 統制されたネット時代に「かけがえのない生き方」は可能か? 著者初の挑発的人生論 人間関係を大切にするな! 友人に囚われるな! 「かけがえのない個人」など存在しない。私たちは考え方も欲望も今いる環境に規定され、 ネットの検索ワードさえもグーグルに予測されている。 それでも、たった一度の人生をかけがえないものにしたいならば、環境を意図的に変え、 グーグルに与えられた検索ワードを裏切っていくしかない。 それを可能にするのが身体の移動であり、旅であり、弱いつながりなのだ――。 人生に自由と強度を与える「偶然性」と「ノイズ」へ向かう道筋を示す。

以下、勝手に解釈すると、テーマは「検索と旅について」。

要は、ネットで情報を探している限りは新たな自分は発見できない。遅かれ早かれ、コピペ人間になる。では、どうするか?東さんは「旅に出よ」といいます。

 

1967年に寺山修司さんが『書を捨てよ、町に出よう』という評論集を出しました。

あなたの人生は退屈ですか。どこか遠くに行きたいと思いますか。あなたに必要なのは見栄えの良い仕事でも、自慢できる彼や彼女でも、お洒落な服でもない。必要なものは想像力だ。一点豪華主義的なイマジネーションこそが現実を覆す。平均化された生活なんてくそ食らえ。本も捨て、町に飛び出そう。永遠の青春の旗手が贈る、自分を知る一冊。

そう、東さんが言いたいのは「スマホを捨てよ、旅に出よう」。誰がかすでに言語化した氷山の上の情報ではなく、海中に潜んだまだ見ぬ情報こそ、旅で得られるものであり、自分を再発見できる。

Facebookにしてもずいぶん大衆化して投稿内容がパターン化しています。ポジショントーク率も急速に高まっていき、発信になんらかの意図が見えかくれします(私も含め)。使い始めて4年以上が経過、ニュースフィードを定点観測しているとよくわかります。 当初とくらべるとおもしろくない。

「せっかく旅に出ても、ちょこちょこ日本の友達に向けて旅の写真をアップしている。せっかく日本から遠く離れて非日常を味わえばいいのに半分日本を向いているのはなんか変じゃない?そんなんじゃ大したものを得られやしないよ」と東さん。

文中に「複製不可能なものは旅しかない」と書かれていましたが、いつの時代もキャリア界隈で叫ばれている「代替できないような人材になれ!」と同じ文脈です。「そのために創造力と創造力を身につけろ」と。寺山修司の時代も、今の時代も若者に対して言っていることは同じ。

突き詰めると、代替不可能な人材になるためめの、現時点での究極の手段としては、「スマホを持たず、SNSなんかせず、旅をしろ」ということになりそうです。あ、これって半分、高城剛さんみたいですねー。どうりで、有料メルマガが最高におもしろいはずです。


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(photo by Moyan Brenn)

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